「ごめん、必ず埋め合わせするから、な?」

自然と出そうになったため息。

手を合わせる孝史のユニフォーム姿。

これまで何回見たっけ。

「気にしてないって。祝ってくれる人なら他にいるから〜。」


ひらひらと手を振りながら言うあたしを、眉をひそめて孝史が見る。


「俺が祝うって。当たり前だろ?…当日は遠征だけどさ…。」

当日じゃなきゃ…誕生日じゃないじゃん…。

「……いいってば。」


…可愛くないことくらいわかってる。

孝史の顔を見ていられなくて、目線を下に向けると泥のついたユニフォームが見えて。

孝史の練習の厳しさと期待を表してるようで辛くなった。


試合頑張ってね、って言ってあげたい。

でも……

誕生日に会えないって

結構辛いんだよ…?



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