柔らかい手のひらだった。夏なのにヒンヤリと冷たくて、気持ち良かった。 もうちょっと握っててくれても良かったんだけどなー。 手を放した後、ちひろは照れたように笑うと、また、ベンチに座った。 「陸くん。ありがとね」 ・・・・・・・・・気が遠くなりそうな、極上の笑顔だった。