「なっ!?」

 ふりむきざまに最初の一撃を止められた。

 まぐれなんかじゃない。一撃目はここにくるとわかっていた……そんな感じ。後ろに目でもついているのか。

 ひるみかけた心をふりきって再び音速を披露する!
 が、今度は彼も同じ技でかえしてきた!

 二人の間を銀の刃が舞い、交差し、ぶつかり、はじき、熱い光をまき散らす無限ループ。

 まったく同じ流れ。
 狂わないリズム。
 攻めているのはこっちなのに鏡の前で踊らされているきぶんだ。

(剣筋を完全に読まれてる!?)

 しかも、彼の連撃は一つ一つが重い。ぶつかるたびに伝わる振動で手がジンジンとしびれてきた。

 ……らちが明かない。

 刃をわざと強くはじいて後ろへ飛んだ。着地と同時に大地を蹴り、前へ!

 雄叫びが、二つ、ぶつかりあう!!