Lute side
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 出口に続く道の途中で、ふと立ち止まった。
 おだやかな森の息吹がやわらかに通り過ぎていく。

 反して、心は嵐のように掻き乱れていた。

(ティアニス王女の……胸を、触ってしまった……)

 まだ感触が残っている気がする。ほのかに熱を持った右手をじっと見つめながら、先ほどの出来事を思い返した。