重い衝撃が耳を貫く。
けれど、派手な音のわりに痛みは伝わってこなかった。
叩きつけられると覚悟した瞬間、突風で体がふわりと浮いたような感覚の後、なぜかあお向けになって地面に寝転がっていた。
目を開けると、遠い枝葉のすき間から青い空が見える。
(え? あれ? とりあえず…………生きてる、みたいね)
どうしてこうなったのかわからない『混乱』と、とりあえず無事だという『安心』がせめぎあう。
そうしたら、私の頭上……というか、後ろ?
もっと正確に言うと、寝そべっている地面のほうから覚えのある低い声が響いてきた。
「つ……お前な……」
思いもよらない方向から聞こえてきた声にギョッとして、大木を見あげる。
彼の姿はない。
ようやく状況を理解した。
地面が妙に温かいなと思ったら。私が寝そべっているのは地面じゃない。
地面と私にサンドイッチされた彼だった。
「ご、ごめん…………って!」
そこでさらに重大な事実に気がついた。
体勢的にふりかえることができないけれど、彼もあお向けに倒れているのだろう。後ろから抱きしめるような形でたくましい腕が体に巻きついている。
でも問題はそこじゃなくて……
──ボッ!
と、燃えあがるほど猛烈な熱が顔中に広がる。
けれど、派手な音のわりに痛みは伝わってこなかった。
叩きつけられると覚悟した瞬間、突風で体がふわりと浮いたような感覚の後、なぜかあお向けになって地面に寝転がっていた。
目を開けると、遠い枝葉のすき間から青い空が見える。
(え? あれ? とりあえず…………生きてる、みたいね)
どうしてこうなったのかわからない『混乱』と、とりあえず無事だという『安心』がせめぎあう。
そうしたら、私の頭上……というか、後ろ?
もっと正確に言うと、寝そべっている地面のほうから覚えのある低い声が響いてきた。
「つ……お前な……」
思いもよらない方向から聞こえてきた声にギョッとして、大木を見あげる。
彼の姿はない。
ようやく状況を理解した。
地面が妙に温かいなと思ったら。私が寝そべっているのは地面じゃない。
地面と私にサンドイッチされた彼だった。
「ご、ごめん…………って!」
そこでさらに重大な事実に気がついた。
体勢的にふりかえることができないけれど、彼もあお向けに倒れているのだろう。後ろから抱きしめるような形でたくましい腕が体に巻きついている。
でも問題はそこじゃなくて……
──ボッ!
と、燃えあがるほど猛烈な熱が顔中に広がる。


![その信頼は「死ね!」という下種の言葉から始まった[エッセイ]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.761/img/book/genre12.png)