──あの賭けのせいだ。絶対に。
俺が逃げ隠れるものだから、日課をサボってでも見つける作戦に打って出たんだろう。行方を暗ませて親衛隊長の俺に捜させれば、自ら捜しに行く必要もない。かくれんぼの鬼が逆になったわけだ。
……考えたな。
しかし、本当の理由を知ったら俺も説教されるんだろうか。あのジャジャ馬姫が青ざめるとはどれほどのものだろう。俺の前では『優しい気さくなおじいちゃん』というイメージだったから、想像がつかない。
一人考えを巡らせ、薄ら寒くなる。
「では、頼んだぞ。リュート」
俺はぎこちなくうなずくことしかできなかった。
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俺が逃げ隠れるものだから、日課をサボってでも見つける作戦に打って出たんだろう。行方を暗ませて親衛隊長の俺に捜させれば、自ら捜しに行く必要もない。かくれんぼの鬼が逆になったわけだ。
……考えたな。
しかし、本当の理由を知ったら俺も説教されるんだろうか。あのジャジャ馬姫が青ざめるとはどれほどのものだろう。俺の前では『優しい気さくなおじいちゃん』というイメージだったから、想像がつかない。
一人考えを巡らせ、薄ら寒くなる。
「では、頼んだぞ。リュート」
俺はぎこちなくうなずくことしかできなかった。
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![その信頼は「死ね!」という下種の言葉から始まった[エッセイ]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.761/img/book/genre12.png)