お兄ちゃんから聞いた情報を全部大雅に確認することにした。



「婚約者おるん?」



「おるかボケ!」



「でも御曹司はほんま?」



「御曹司っちゅうか、親が社長なだけ」



「私みたいな平民と結婚できんの?」



「なんやねん!!平民って。俺も平民やわ! 親からは、取引先の会社の娘と結婚しろとか言われてんのはほんまや。でも、俺はそんなんするつもりない」



大雅は、見たこともないような優しい表情で私を見つめながら、私の頬を両手で挟んだ。




「俺は闘うで。杏奈と一緒になる為に……」


「ようわからんけど、私も闘う!!」


「俺の特訓の成果やな。杏奈は強くなったわ」



どうやら、大雅は私を辛抱強くする為に、様々な嫌がらせを企画していたらしい。


ちゅうことは、ずっと前から私のこと?