大雅、なんで私の手紙をあんなことしたん?



大雅、なんでこんなところにおるん?






大雅、保健の先生と付き合ってるん?



もうこれっぽっちも私のこと好きじゃないん?







「やっぱいいです!!!!」



私は保健室を飛び出した。



これで満足?



大雅は、私が来たってわかって、わざと声を聞かせた。




わかってる。


大雅ってそういうヤツやもん。




もういいもん。





「ちょっと早退する」



私は3人にそう言って、職員室へ向かった。




担任には気に入られてるから多分大丈夫……


この私の暗い顔見たら、みんな帰らせてくれるやろうけど。





「失礼します」



職員室のドアを開けて、最初に目に入ったのは、


今私が最も避けている人物……



「コーチ……」


「久保田、どないしたんや?」





「コーチこそ。なんでこんな時間におるん?」


「来年度のコーチの引継ぎでな。俺の後輩がコーチになることになったからちょっと手続きしとったんや」





会いたくなかった。


こんな悲しい気分の時に……


優しくされたくない。





自分の心を偽ってしまいそうになる。





大雅が好きやのに。


大雅のことを嫌いになりたい私もおって。





ついついこの優しい笑顔に甘えてしまいそうになる。




だから、優しくせんとって。



コーチ……





私、好きちゃうもん。


コーチのこと。