その日の部活が終わった帰り道、私は聞きなれた声に呼び止められた。



一瞬、大雅かと思ってしまったのは、私が大雅のことばっかり考えてるからやろう。



「あ、コーチ……」



ちょっとガッカリした顔してもーた。



「久保田!!ちょうど良かった。話したいことあってん」




さっきみんなから変なこと言われたからちょっと意識してまうやん。


ありえへんって思いつつも、馴れ馴れしい話し方にドキドキしてしまう。




「あのな、城之崎ってバイトしてるんか?こないだ、レンタルショップのエプロンしとったやろ」



「え…… あぁ~どうやろ。私、あんまり知らんから」



適当に誤魔化そうと思ったけど、まぁ無理なんはわかってる。



「そんなわけないやろ。お前が借りに行った時、おったんやろ?」



「それって何か問題?学校にバレたらやばいとか?」



「別にそういうわけやないけど…… あの店俺もよく行くから生徒がおったらちょっとやばいなって思って」



「やばいってことは、コーチも相当変態なんですか?」