「かわいい妹よ。遅かったやないか~!!」



「お兄ちゃん…… もうええって。その仁王立ち」



「期待してるで。大雅のオススメエロDVD~」




渡した紙袋の中をチラっと見たお兄ちゃんが一言。




「学園モノやないやん。がっかり……」



「学園モノしか嫌やった?社長室とかOLとか嫌いなん?返却してこよか?」



何を真剣に言うてんやろ…… 私。




「別に嫌いじゃないけど。今まで見たことないだけ。俺、今高校の数学の先生を狙ってるから…… まぁ、社長室でロックオンってのもおもろそうやんけ」



紙袋を大事そうに胸に抱えたお兄ちゃんは、冷蔵庫から炭酸の缶ジュースを2つ取って、自分の部屋へと向かった。



私はお兄ちゃんの背中を見ながら、大雅のことを思い出した。