あの事は今となったら、本当は夢だったのかと今となっては思ってしまう。


「ユウ今日もバイトだよね。」

「うん。」

「バイトもいいけど、たまには遊びに行こうよ。」

「ふふっ、今度ね。」


そして、私はまたバイトに行く。

カランカラン♪

私を見るなりマスターはにこりと微笑む。

私はマスターの側に行き「おはようございます」と小声で会釈する。


そして、いつも通りエプロンをして少しの時間だけ働く。

いつも来てくれているお客さん。

そして、新しいお客さん。


そんな中でも、私はここにいるとあの日曜日の事が忘れられない。

マスターに聞きたい。

聞きたいけど・・・。


本当にあれが夢だったらと思うと聞けない。

彼は忙しい。

毎日のように何処かのチャンネルで見られるくらい。

そんな彼が、街の小さな喫茶店に・・・来るはずがない。

そして、私と話すなんて・・・。