マスターはお店の奥で私が作ったオムライスをゆっくり食べている。


「いらっしゃいませ。」


私は口を拭いて、急いでお客様を出迎える。


「えっ・・・。」


私はその人を見たまま、呆然と立ち尽くした。

そして、何度も瞬きを繰り返す。

私の見間違い?

私、とうとう幻覚を見るようになった?


だって、だって・・・。

そこには私が一番逢いたかったあなたの姿があるんだもの。

毎日見ているその顔。

間違えるなんてありえない・・・。


天然パーマの黒い髪。

綺麗な黒い瞳。長いまつ毛。

高い鼻に、笑うと少し白い歯をちょっと覗かせる口。


「ジュン・・・?」

「ユウちゃんこんにちは。」


えっ?何で私の名前を知っているの・・・?