バンッ
コンクリートが熱を溜め込む駐車場に、車の扉を閉める音が響く。
「うぁ~!あっちぃなー!」
車を降りると、太陽が容赦なく攻撃して来る。
太陽の光が照り付ける部分が、暑いというより痛かった。
「千夏!ほら、行くぞ」
「う、うん」
歩みを進める誠さんの少し後ろに駆け寄る。
大きな背中に守られているような気がして、つい胸が熱くなった。
私は必死にさっきのサイドミラーの顔を思い出す。
自分が今、あの人になっていることを思い出す。
彼が見ているのは、私じゃなくてあの人だということを…言い聞かせる…
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…