ふと辺りを見渡せば…

ただ

ただ

真っ白な霧の世界。


まるで彷徨うように

風のような、霧のような白いものがゆったりと流れていた。



慌てて全面を見渡す。


けれど、白い霧以外に何も見えない。


どこを見渡そうにも

感覚を失ってしまいそうなくらいに、辺りはただ白いだけだった。


白と言っても

絵の具のようにはっきりした色ではなくて…


そう

限りなく…透明に近い白…


遠くを見ようと目を懲らしても

まるで私がそうしてるのをわざとからかうように
白い霧が邪魔をする。




「な…に…これ……っ」



頭の中が混乱する。




これは…


夢…?