「そろそろ帰んなきゃ」

早く帰りたい。

そう思った私は思い切って言った。

「そっか、親厳しいもんね」

私はスクバを手にして立ち上がった。

「また遊ぼうね。ばいばい」

もう遊びたくないな、なんて

思ったけど一応言った。

「うん!また来て。

ばいばい♪」

靴を履いてドアを開けて実梨ちゃんに

手を振った。

実梨ちゃんも手を振り替えしていた。

そして最後にこう言った。

「明日頑張ろうね」

丁度ドアが閉まって私は

何も言えなかった。

私は走って帰った。

なんであんなこと言ったの?

私たち敵チームじゃん。

遠まわしに、西崎秀と喋るな

って言ってるんでしょ。

それが言いたかっただけなんでしょ。

私を利用してたくせに

今は私邪魔者扱いなんだ。

でも関係ない。

ごめんね。

私も西崎秀が好きだから。

協力するとか言ったけど

実梨ちゃんは私を必要としてない。

邪魔なだけなんだ。

それなら私は自分のことを

頑張るだけだよ。

~♪

「ん?」

メールが来た。

【明日頑張ろうな♪

仕事サボんなよ!】

たったそれだけでも私には嬉しい言葉。

それは西崎秀からだったから。