あたしはそう言うと、下を向いた。





「……ウソ」


「え?」



お姉ちゃんの言葉に、思わず顔を上げた。







「なんでもない、なんてウソでしょ?」


お姉ちゃんの目があたしをジッと捉える。





「……ほんとに、なんでもないよ」


だけど、お姉ちゃんの顔がなかなか見れない。







「何でもなくないでしょ。そんなに悩んでる顔してんだもん」


お姉ちゃんはあたしの頬を持ち上げてそう言った




あたしを見つめるお姉ちゃんの目は……


真剣だった。







「あたしはアンタのお姉ちゃんなんだから、アンタが考えてることくらい分かるわよ」


お姉ちゃんはそう言うと、あたしの頬から手を離した。





あたしはお姉ちゃんから目が反らせなくなった。