【完結】不良彼氏の甘い誘惑

あたしは爽真君をジッと見つめてそう言った。





「……俺は亜季のこと好きなんだけど?」


爽真君はそう言って不敵な笑みを浮かべた。







「あたしは……好きじゃないもん……」


あたしは爽真君から目を反らした。





「ふーん?」


「……何よ」


「別に。……ただ、俺がお前を好きだってことは良く頭に入れとけよ?」


爽真君はそう言うと、あたしから離れてそのまま屋上を出て行った。







「……何よ。偉そうに」

誰も居ない屋上に……あたしの小さな声だけが、虚しく響き渡った。





だけど……多分、この頃から―――


爽真君に対する気持ちが、変わっていたのかもしれない。






その気持ちに気付くのは、もう少し後のお話。