「俺……正直辛かった。……沙紀と別れるの」


「…………」





お姉ちゃんだって……


辛かったハズだよ。







「好きだったのに別れるなんて……辛くてしょうがなかった」


「…………」


「だけど……俺は沙紀の側には居られない。そう思ったから別れたんだ」


真君の声が、いつもより優しく感じた。





「…………」


あたしは何も言えなかった。







爽真君だって本当は……

お姉ちゃんと別れたくなかったんだ。





だけど……


爽真君はお姉ちゃんを守れなかったから、側に居る資格なんかない。







そう思ったから……


お姉ちゃんと別れる決意をしたんだよね。





それが……


お姉ちゃんのためにいいと思ったから。