俺はおもむろに口を開いた。





「沙紀……ごめん」


俺はそう言って、沙紀に頭を下げた。







「…………」


だけど、沙紀は黙ったままだった。





このごめんには……


色んな意味がある。







一つ目は……


沙紀を守れなかったこと




二つ目は……


別れを告げること。







三つ目は……


俺が惨めだったこと。





だけど……


謝って許してもらえるなんて思ってない。







沙紀を守れなかったこと。……これは俺自身の責任だ。


沙紀は何にも悪くない。





悪いのは……


沙紀を守れなかった俺だ







そんな自分に、腹が立つ