そう思っていると、部屋の扉が開いた。





「……はい」


沙紀はコーヒーカップを俺の前に置いた。







「……サンキュー」


「で、話って何?」



沙紀は俺の目の前に座り、おもむろに口を開いた




「……そのことなんだけどな」


俺はコーヒーを一口飲み、呟いた。







「……うん」


だけど、沙紀はさっきからずっと俺と目を合わせようとしない。





多分、沙紀ももう気付いてるんだ。


俺が……これから話すことを―――





だから……


俺と目を合わせようとしないんだ。







「沙紀……」


「……ん?」



けど、イヤでも分かってしまった。





沙紀の表情が、曇っていることに―――