「今、なんか飲むもの持って来るから部屋で待ってて」


「……ああ」



俺は沙紀の部屋へと入った。





だけど……


いざ話すとなると、少しためらってしまう。







「別れよう」


その一言を言うのが、怖くなる。





だけど……


言うって決めたんだ―――







だから……


言わなくちゃならない。




俺は今日……


そのためにここまで来たんだ―――







今さら、後戻りなんて出来ない。


だけど……


「別れよう」





……この一言を言ってしまったら、沙紀を悲しませることは確かだ。


正直、沙紀を悲しませたくなんかない。