「あ、これ可愛くない?」 そう言って沙耶がみんなに見せたのは、生まれたての子猫の写真が載った年賀状。 「ホントだ、かわいー!」 「まだ目も開いてないね」 はるかとナミまで子猫を褒めるもんだから、なんとなくあたしはムッときて、その年賀状を肉球で踏んづけた。 「あっ、こら、シュシュール!」 すかさず沙耶に体を持ち上げられた。 「にゃあー」 と鳴いて抗議すると 「はいはい。シュシュールが一番可愛いよ」 と、沙耶。 ……分かってればいいのよ、分かってれば。