「今日のコーヒー、なんかいつもと違いましたよね?」 「……え?」 「すごく美味しかったです。 ありがとう」 ……たぶん、他の人からすれば、どうってことない出来事。 でも私には、飛び上るほど嬉しくて。 「あ…、ありがとうございましたっ」 胸のモヤモヤが、一瞬にして晴れたんだ。 ……名前も歳も知らない ひとりのお客さん。 ほんの小さなやり取りが 私の気持ちを大きく動かした 波乱の『3カ月』の幕開け。 ―――SAYA