私も沙耶の横から覗きこみ、そして。 「……ぷっ」 思わず沙耶と声をそろえて笑った。 そこには、タケルの姿。 分厚いコートのポケットに両手を突っ込んで、落ち着かない様子で、アパートの前をそわそわと行ったり来たり。 あれじゃ変質者じゃん。 「タケルーっ」 窓から身を乗り出して呼ぶと、タケルはこっちに気づいて、『やばい!』みたいな顔で逃げようとした。 ますます変質者なタケルに笑いながら 「とりあえず上がっておいでよ。はるかならもう爆睡してるし、顔合わせなくていいから」 と声をかける。