「やるじゃん、タケル」 あたしはフライパンに入ったままの、やたら細かく刻んだ野菜炒めを指でつまんで一口食べた。 「……まずっ!」 ありえない変な味付け。たぶん塩と砂糖を間違ってる。 こんなベタなミスをするくらい、タケルも内心動揺していたんだろうと想像すると、ちょっと笑える。 「ただいま~……」 口直しにお茶を飲んでいると、沙耶が帰ってきた。 「おかえり。遅かったね」 「……うん」 やたら疲れた表情で、自分の部屋に直行しようとする沙耶。