Jam Diary ~3ヵ月で何度、トキめきますか?~




「ありがとうございましたー」


本日最後のお客さんを見送って、『close』のふだをドアにかけた。


「お疲れさま、沙耶ちゃん」

「お疲れさまー」


同じカフェ店員の女の子はこれからデートらしく、いそいそと早足で帰っていく。


閉店した店内でひとりになった私は、キッチンに入った。

コーヒーメーカーの前に立ち、スイッチを入れる。


そして取り出したのは、以前、天馬さんに買ってもらったコーヒー豆。

使うのがもったいなくて、今までとっておいたもの。


そっと封を切って、その香りを胸いっぱいに吸いこんだ。


キュンとして、でも少し寂しい胸の痛み。


私はコーヒーメーカーに豆をセットし、抽出ボタンを押した。