「あ~。あったけぇ~。
やっぱお前の手が一番温いわ」
……あたしはホッカイロか。
ムッとして手を引っこめて
「あんた、髪がないからよけいに寒いんじゃないの?」
嫌味っぽく言うと、ダイスケは飄々と笑いながら自分のボウズ頭をなでた。
いつも余裕たっぷりで、人を見下したような笑い方。
ボウズとヒゲがやたらハマる、濃いめの顔立ち。
周囲には自然とみんなが集まり、いつも笑い声の中心にいる。
あたしより2つ年上のダンサー、ダイスケ。
あたしはこいつが苦手だ。
「あれ?ナミ、もう帰んの」
「……うん」
「気ぃつけて帰れよー」
「……」
あたしは、こいつが……
キライだ。