そんなことを考えながら、私物をバッグに詰めていく私。
それほど多くなかったから、すぐに全部入れ終わった。
「じゃあ……行くね」
「……」
「今までありがとう」
「……」
テレビ画面から目をそらさず、ゲームのコントローラーを叩き続ける颯太。
またしても敵のボスキャラに敗れ、『ゲームオーバー』の文字が画面に流れた。
私はバッグを肩にかけて立ち上がった。
そして、玄関のドアノブに手を伸ばしたそのとき。
ふと足を止め、ふり返った。
「颯太」
テレビの方を見たままの背中に、声をかける。
「よけいなお世話かもしれないけど……
そのボスキャラ、しっぽを攻撃したら倒せるよ」
「……」



