深夜の0時過ぎ。

レッスンを終えたあたしたち、ダンスサークル『WOMBS』のメンバーと入れ替わりに、
スタジオに入ってきたのは、ダイスケたちだった。



「うぅーっ、寒!今日マジで寒いんだけど!」


バカみたいにデカい声で「寒い寒い」とくり返しながら入ってくるダイスケ。

寒いのは当たり前だろ、冬なんだから。


「おっ、ナミ」


……来た。


「おい。手」

「はい?」

「手、貸せ」


意味がわからずに眉をひそめていると、ダイスケはあたしの両手をグイッとつかんで、自分の頬にくっつけた。