「でも……タケル、ナミのこと好きって言ってたじゃん」

「そんなん中学の話やろ。
それにあれは、好きっちゅーか憧れに近かったし」

「でも今でも、ナミの話したら顔色変えるじゃん」

「だからそれは!
……お前が、いまだに俺がナミを好きって思いこんでたから」

「……」

「お前の口からそういう話されるんは、正直ムカついたから」

「……」


いたたまれず目をそらすと、マナ板の上の野菜が視界に入った。

タケルが黙々と切ってた野菜は、すでにみじん切りみたいに小さくなってた。