街中で言い争う私たちに、まわりから注がれる好奇の視線。 それに気づいた颯太は、とたんにバツが悪くなったのか 「沙耶。行くぞ」 と私の手を取り、強引に歩き始めた。 颯太に引っ張られながら、私は天馬さんの方をふり返った。 映画館の前に立ち尽くし、まっすぐこっちを見ている彼。 しだいに開いていく距離。 行き交う人たちの姿にジャマされ、今にも見えなくなりそうだった。 「……天馬さんっ」 私は衝動的に名前を呼んだ。 「いいかげんにしろよ、沙耶」 手を引っ張る颯太の力が、ぐんと強くなる。