天馬さんは心配そうな表情を残して、帰っていった。
私は映画館の外に出て、颯太が来るのを待った。
緊張しすぎて、指先が凍ったみたいに冷たい……。
「沙耶」
颯太の声に顔を上げる。
そして、愕然とした。
……別人だ、まるで。
2年間も付き合ってたのに、今まで見たこともないような、怖い顔の颯太。
普段のほがらかな性格からは想像もつかない。
でもこんな顔を彼にさせてるのは、私なんだ。
「男は? 一緒に待たしとけって、俺言ったよな?」
「……帰ってもらった」
「は? ふざけんなよ。どっちかっつーとお前より、そいつの方に話があんだけど」
「でもっ、彼は関係ないから」
「“彼”とか言ってんじゃねーよ!」



