「まもなく3番スクリーンにて、○○を上映開始します」
私たちが観るはずだった映画のタイトルが呼ばれた。
他のお客さんたちが、スクリーンにぞろぞろと入っていく。
「ごめんなさい……映画……」
「ううん」
「私のせいで……」
「沙耶さんのせいじゃないから」
「映画、観なきゃ……」
せっかく天馬さんと来たのに。
一緒に観るはずだったのに。
こんな形で終わってしまうなんて、やっぱり私……!
「――沙耶さん」
ふいに強い声で名前を呼ばれ、ギュッと両手を握られた。
目の前に、まっすぐな瞳。
「大丈夫だから、落ち着こう」
「あ……」
天馬さんの瞳と、声と、力強い手の感触が
少しずつ私を正気に戻してくれる。



