「行こう、沙耶さん」 何事もなかったかのような笑顔。人に親切をしたなんて、ちっとも思ってなさそうな。 ああ……。 やっぱりいいな、この人。 ……好き。だなぁ。 再び歩き始めた雑踏の中。私には彼の姿だけが、くっきりと浮かび上がって見える。 ……こんな、たくさんの人がいる世界で 私も迷子になってみたい。 そして天馬さんに見つけてほしい。