「寂しい……」 思わず声に出すと、近くを歩いてたサラリーマンが変な顔でこっちを見た。 あたしはやさぐれた気持ちで目をそらした。 すると視界に飛び込んだのは、一軒の定食屋さん。 「あっ」 黒猫……ダイスケさんが言ってた猫だ! さらにその猫のかたわらには、手の平ほどの小さな子猫が3匹。 ……生まれたんだ。 あたしはそっと猫に近づいた。 人間に慣れているのか、すぐそばでしゃがんでみても、猫たちは逃げようともしない。