「私も出ていくかもしれないの。
まだちゃんと決まったわけじゃないけど、颯太と結婚の話が持ち上がってて……」
「……」
ここは、喜ぶとこ。
飛び上って喜んで、祝福のハグとかしちゃうとこだよ。
「お……おめ、おめで……」
やばい。声を出そうとすると、ちょっとやばい。
するとシュシュールが、あたしのひざの上で体を伸ばして、ふいに頬を優しくなめてきた。
瞬間、抑えてた言葉がポロッとこぼれた。
「……行っちゃ、やだ……」
「はるか……」
あ……。あたし今、最低の人。
「……って、ゆうのは嘘なんだけどね~っ。
おめでとう、ふたりとも!
乾杯しよ! お酒買ってくる!!」
あたしはガバッと立ち上がり、部屋を飛び出した。



