あ。今の『あいつ』は、ナミのことかな。
そういえばダイスケさん、今日はナミの話題はまったく出さなかったなぁ。
あたしがそんなこと考えてる間に、ダイスケさんは大通りの方に歩き始めた。あたしもあわてて、その横に並んだ。
街はすっかり夜の顔。そのせいか自然と、ふたりの距離が一歩分くらい近くなる。
どこに向かってるんだろう……。
ダイスケさんが言わないから、あたしも聞かないけど。
あえて普通に会話しながら、ついていくあたし。
あぁ、でもこの感じ、久しぶりかも。
男の人と初めて食事したあとの、じれったくて微妙な感じ。
……って。ダイスケさんはそんなんじゃないのに、何考えてんのよ。



