「気ぃつけて帰れよ」 「うん。……おやすみなさい」 あたしは後ろに下がるように、タケルから一歩離れた。 近づいてくる電車の光が、暗闇の中で遠くに見える。 そのとき。 「……はるか」 「え?」 急に光が見えなくなったと思ったら、目の前に、タケルの顔があった。 瞬間、心臓がつぶれそうなくらい苦しくなって。 「やっ……」 あたしは無意識に、タケルから顔をそむけていた。