ニューヨーク行きを宣言したのは、あたしの方なのに。

ほうっていかれるみたいな、この惨めさは何だ。


止めてほしくて言ったわけじゃない。

そんな子供じみたことは考えてない。


なのにダイスケの反応が悔しくて、悲しくなってる。

自分で自分がめんどくさい。


黙りこんでいると、いきなりダイスケは豪快なクシャミを響かせた。


「……さっぶ。
さすがに体、冷えたし」


鼻をすすりながら、両手を擦り合わせるダイスケ。


いったいいつから、ここにいたんだろう。

人一倍、寒がりのくせに。