テルさんを乗せたタクシーが走り去ると、アパートの明かりと、わずかな街灯だけが残った。 ダイスケは花壇に座ったまま、あたしを見上げてニヤッと笑った。 「なかなか意外な組み合わせじゃん」 「何しに来たの?」 「んな露骨に、嫌な顔すんなよ。 お前が打ち上げ来ねぇから、心配して見に来てやったのに」 そんなの、頼んでない。 この状況で親切ぶられても、ちっとも嬉しくなんかない。 「あんたに心配してもらうようなこと、何もないから。 わかったら帰って」