「あ」 突然、テルさんが小さくつぶやいた。 と同時に、肩に添えられていた手が離れた。 ……到着したのかな? そっと目を開けると、フロントガラスのむこうに、うちのアパートが近付いてくるのが見える。 そして……。 あたしは目を疑った。 「この辺りでいいですか?」 「あっ……はい」 タクシーが停まり、あたしの左側のドアが開いた。 でも、すぐには降りることができなかった。 ……ありえない。 なんでこんな時間の、こんな場所に ダイスケがいんの?