「で、どーよ?」 新しいドリンクが運ばれてきたタイミングで、テルさんがおもむろに切り出した。 「オーディション。興味はあるんだろ?」 「はい」 本題に入ると、あたしの背筋が自然と伸びた。 興味なら、大アリだ。 ニューヨークでチャンスをつかめば、将来の可能性はグッと広がる。 こんな絶好の機会、逃すわけがない。 ……はずなんだけど。 「でも、1年は帰ってこれないってのがな~。やっぱ悩むとこだよなぁ」 あたしの心を読んだように、テルさんが言った。