『もしも』の話は好きじゃないけど、つい考えてしまう。 『もしも、あたしが男なら』 友達とか、よきライバルとか そういう関係で、あいつと結びつくことができた? 「おぉ~、これはこれは。 今宵はすばらしい月明かりだね。ナミちゃん」 「月なんか見えないじゃないですか。テルさん」 白々しく窓の外を見つめるテルさんに、素で返すあたし。 ただ今、テルさんとふたり、打ち上げという名の飲み会中。 繁華街のど真ん中にある、この店の窓から見えるのは、ゴチャゴチャしたビルの看板とか、酔っ払いの姿ばかりだ。