「……すみません。
じゃあ、袋ひとつ持ちます」


私の申し出を笑顔で流して、帰り道を歩き始める天馬さん。

私は黙ってその後ろを歩いた。


さっきみたいに隣に並ぶことが、できない。

胸がモヤモヤして苦しい……。


すると。急に天馬さんが足を止めて、ふり返った。



「やっぱり、これだけは持ってもらおうかな」

「え?」


ガサゴソと袋から取り出して、私の方に差し出したのは。


「……天馬さん……」

「さっき見てたの、これだよね」

「……」