「……もしもし」 「沙耶、もう帰った?」 普段通りの颯太の声。寝る前に電話してくるのは、ほぼ日課だ。 「ううん」 「まだはるかちゃんと飲んでんの?」 「うん」 「そっかぁ。ちゃんと電車あるうちに帰れよー」 「うん」 ……おかしい、私。 わざと短い返事を選んで、早く電話を終わらそうとしてる。 でも、店内で天馬さんを待たせてるんだから、仕方ないよね? そんな言い訳を自分にしながら、電話を切ろうとしたとき、颯太が言った。