ギクッとするとこじゃないはずなのに。 心臓が凍ったみたいになった。 バッグから携帯を出そうともしない私。 鳴りやむ気配のない着信音。 天馬さんは、訝しげに私を見たあと、優しく微笑んで言った。 「店内は電波悪いから、入口に行って話した方がいいよ」 あー……これは。気を使ってくれたな。 なんだか無性に、なさけない気持ちがこみ上げてくる。 私は「すみません」とつぶやいて、天馬さんから離れた。 スーパーの入り口の、カートが並んだあたり。 店内に背を向けて外の景色を見ながら、電話に出た。