「だってタケル、いっつもチャンス逃すじゃん」 「チャンスって何やねん。俺は別にもうナミのこと――」 「とか言ってごまかしてるけど、いまだにナミの名前が出るだけで顔色変わるよね。 いいじゃん、あたしら友達なんだから素直に認めなよ」 図星だったせいか、口ではかなわないと思ったのか。 タケルは反論を飲みこんで、薄い唇をへの字にした。 「とにかく、明日待ってるからね。来てね。じゃ!」 行けたらな、というあいまいな返事を聞き流し、あたしは手をふって小走りで帰った。