目を覚ますと薄暗い部屋が目に入った。
外からの光を吸収して少し明るい部屋に舌打ちをする。

ベッドサイドにあるカーテンのスイッチを押そうとのっそりと起き上がろうとした。

「・・・なんでこいつこんな所にいるんだ?」

一人なのに思わず声に出た。

自分の腹の上で丸まって眠るネコ。
スースーと寝息を立てて、たまにもぞもぞと動きながら擦り寄ってくるネコは、本物の猫みたい。
自分の左腕はしっかりとネコを捕まえている。

「・・・起き上がれねー・・・。」

はぁ~。

天井に向かってため息を吐く。
かろうじて自由な右手でポケットを探り携帯を取り出し時間を確認する。

2時・・・。
結構寝たな。

10件を超える着信を確認し、メールも確認をする。
返信する事はまずないが。

「ん・・うっ・・・ん・・・。ん~~!!」

大きな伸びをしたはずみで猫が腹から転げ落ちた。
ポスンと小さな軋みでベッドを揺らし、見事に着地し、また寝息を立てだした。

「・・・・ガキかよ。」

体を起こし、カーテンを閉めると暗闇になった。
間接照明を半分だけ付け、立ち上がり冷蔵庫から水を出し飲み干した。