「だから俺は、マコトが自爆するに2万だな」

と運転席にいるテルさんがミラー越しに目配せした。

1万から2万に上がってるのはなぜだ。

自信満々ってコトか!?

……じゃなくて。

仲間(上っ面だけだけど!)の恋心を賭けに使うなんて。

しかも他でもない私の前でするなんて!

浦ヶ崎は優しいって、ちょこっとは思ってたのに……

ホントはどっかで、仲間っていいなって思い始めてたのに……。

やっぱどこも同じか。

急に視界が色褪せたような気がした。

けど……

「私は賭けなんてしない。絶対しない」

するもんか、賭けなんて。

どんだけ傷つくか……私は知ってる。

今、ここでこの首謀者の晴海先輩を殴れない自分が情けないけど。

中山は後でなんとか闇討ちでもしようと心に決めて、精一杯の軽蔑の眼差しを晴海先輩に向けた。

「お前は別口で参加するか……」

……だから、参加しませんってば!!

私の視線になんてまるで動じない晴海先輩は、なぜか嬉しそうに笑っていた。