【サチ】



3年間ってあっという間だった。



思い出の中には3年間、ずっと先生がいた。



1年生の時からずっと先生だけが好きで…。



もう少し一緒にいたかったな。



先生が高校生だったらよかったのに、なんてよく思ったり。



だけどやっと今日、あたしは卒業する。



「アユミさん…。やりすぎじゃない?」

「このくらい派手な方がいいんだって。卒業式なんか目立ってなんぼだよ」

「そうかな…」



朝からアユミさんがあたしの髪をセット。



父はいつもより高めのスーツで髪型も今日は決まってる。



父にはたくさん迷惑かけちゃったな…。



「サチ、昔から今日のこと考えてた。お前が大人になる時に渡したくて…」

「なに?この写真…」

「サチの本当の両親。これが俺の兄貴」



父から渡された写真に笑顔で写る男女の姿。



父にそっくりな男の人と、長いストレートの髪の女の人。



この人があたしのママ…。



パパの顔は想像できたけど…。